豊田高専ってどんな学校?
- 中学校の卒業生を受け入れる5年間の一貫教育
- 専攻科(学士課程)もあり、実質的な高・大一貫校
- 大学進学者の約90%が国公立大学進学(編入)
- 100%に近い就職率(学校推薦による求人多数)
- 海外留学する学生数、全国高専トップ
- 学生寮で生活している学生数、全国高専トップ
- 食堂、売店、温水シャワー(体育館設備)あり
どんなことが学べる?
大学と同じ高等教育機関である豊田高専では、五つの学科で次のことが学べます。
機械工学科
機械工学科は将来のエンジニアが必要とする基礎学力の養成を教育の目標としています。
具体的には、機能性・安全性を追求する材料・材料力学分野、エネルギーの効率的利用を追究する熱・流体力学分野、物作りの原点を志向する工作・加工分野、高精度化を追究する計測・制御分野、加えて大きく発達してきたコンピュータ技術を教育の柱に据え、ローテクからハイテクに至るまで機械工学を体系的に学ぶ工夫を行っています。
また、設計製図ならびに実験・実習などに多くの時間を充当し、工学の原点である「物作り」の重要性を肌で感じることのできる教育を行っています。
電気・電子システム工学科
電気・電子システム工学科では、エレクトロニクス、情報通信およびエネルギーの三つの分野と、それらを相互に関連づけるシステム技術の分野について教育を実施しています。エレクトロニクスと情報通信は、コンピュータ、情報機器、自動制御機器が発達した現在および将来の社会にとってなくてはならない技術です。また、エネルギーは社会基盤をささえる重要な動力源です。これらの分野の教育においては、特に、基礎的な専門科目の確実な理解と、豊富な実験実習に重点をおいています。また、コンピュータ関連科目については、 1学年から5学年まで継続的に学習できるように考慮されています。卒業研究においては、学生がそれまでに修得した知識を集約し、自ら考え、実行し、評価する訓練が行えるように指導しています。電気・電子システム工学科では、このような教育を通して、将来各方面で活躍できる創造型開発技術者を育成することを目指しています。
情報工学科
情報工学科は社会の変化に即応できる高度情報処理技術者を育成することを目的にしています。
情報処理技術者は、コンピュータやその周辺の技術のみならず、人間としての豊かな教養を身につけなければなりません。そして、コンピュータで「できること」について深く洞察すると共に、「してはならないこと」についての見識をもつ必要があります。情報工学科では、単にコンピュータのためのプログラム技術を教えているのではありません。情報処理技術者として必要な基礎教科を重視し、創造性豊かな人材を育成する教育を行っています。
環境都市工学科
環境都市工学科では、豊かで快適な生活空間の創造のための建設技術に加えて、自然環境及び文化的歴史的遺産など、人類にとってかけがえのない財産を将来に向けて保存すべく、新たに環境保全技術と持続可能な開発技術を教育することを目標としております。
環境都市工学科での授業科目は、基礎科目、共通専門科目、都市建設系科目、環境系科目、その他の五つに分類されています。基礎科目では専門科目を学ぶ上で必要な理数系及びコンピュータに関する科目として応用数学、情報処理などを、共通専門科目では応用的な専門科目を学習する上で基礎となる測量学、 構造力学などを学びます。都市建設系科目では都市の計画及び建設技術に関する建設管理計画、都市計画などを、環境系科目としては環境問題及び環境保全技術に関する環境工学、環境アセスメントなどを学びます。更に、修得した学力を基礎に実験実習や卒業研究を通して環境保全技術と持続可能な開発技術を習得させています。また、進んで技術革新の時代への適応を容易ならしめるためにコンピュータに関する授業科目をふんだんに取り入れ、情報化社会に適応できるエンジニアの育成を目指しています。
卒業後に取得できる資格
- 測量士補
建築学科
建築は、「工学」と「芸術」を融合した学問です。また、生活の器であり、身近に先人の知恵と技術が活用されています。
本校は、実践的技術者養成のために開学されています。そこで、建築学科カリキュラムでは、学生が設計競技などに参加し、実務に向けての基礎知識を養うことができるように設計製図・実験など実践的な科目が他高専建築学科より多く設けられています。この特徴的なカリキュラムと学生らの努力で、昨今、多くの学生が、全国レベルの設計競技や全国高専デザインコンペティション(通称デザコン)で入賞を果たしています。
授業科目は、上述のように1年次からデザインや設計製図があり、さらに数学などの一般科目の履修状況に対応して、2~3年次から建築計画、構造力学、環境工学などの科目が始まり、5年間で創造力ある建築技術者を育成します。
卒業後に取得できる資格(受験資格)
- 2級建築士
- 木造建築士
学校生活
クラブ・同好会活動
豊田高専では、学生が豊かで有意義な体験ができるよう体育部系と文化部系のクラブ活動を支援しており、多くの学生がスポーツや文化活動に励んでいます。体育部系には21団体のクラブ、文化部系には13団体のクラブと5団体の同好会があり学生相互の研さんの場となっています。
体育部系のクラブ活動の発表の場として、6月下旬から7月上旬にかけて東海地区の5高専によって行われる東海地区高専体育大会(16競技種目)が、また、8月下旬には全国高専体育大会(14競技種目)が開催されます。昨年度(平成29年度)、豊田高専は、東海地区高専体育大会において団体競技3種目で優勝し、全国高専体育大会ではハンドボール部が優勝しました。
卒業生からのメッセージ
近藤 潤(情報工学科 ブラザー工業(株)IT戦略推進部 勤務)
グローバル企業に就職し当たり前のように海外の方と関わり自分の好きな仕事をして過ごせる日々は、高専での5年間が大きく貢献しています。
もともと入学以前より情報分野に興味がありましたが、しっかりと活用できる知識・技術を教わり、卒業時には好きが自信に変わっていました。早い時期からまとまった期間、基礎から応用、最新動向に至るまで体系的に学べるのは高専ならではの良さです。また専門分野の知識習得は勿論のこと、多種多様な機会にも恵まれています。私は一年間の海外留学を契機として、コンテストや海外派遣、学会など、学内に留まらず数多くの経験をさせていただけました。学生一人あたりの先生方の数が多いこともあり、それぞれ専門家の手厚い支援が十分に受けられるのも高専のメリットだと感じます。
私は現在、IT部門に所属しWeb/デジタルマーケティング関連の仕事をしています。自他部門や社外との密接なコミュニケーションが必要とされる中、専門知識を問われることが多く、情報工学科で学んだ基礎が業務上の信頼獲得に繋がっていると確信しています。
人の為になる、自分の好きな事をして毎日を過ごす。素敵だとは思いませんか。工学に興味をお持ちであれば、そんな将来のきっかけとして高専を選択することを私は強くおすすめします。
中川 雄貴(環境都市工学科 東邦ガス(株)本社導管保全部 勤務)
私は、人々の暮らしを支える工学分野の専門的な授業を受けたい、との思いから豊田高専環境都市工学科に入学しました。5年間の高専生活では、学習面ばかりではなく、学寮での先輩や後輩とのふれあい、学園祭での楽しい思い出など貴重な経験を積みました。環境都市工学科で学んだ専門分野のなかでは、都市におけるエネルギー供給に興味を持ちました。現在私は東邦ガスの供給部門で、技術職として、経年ガス管の入替え計画の策定や予算編成の仕事をしています。
人々の毎日の生活を支える社会基盤整備の一翼を担う仕事に就き、環境都市工学科で学んだことを活かして充実した毎日を送っています。社会人となって一番に感じたことは、多くの企業が「確かな専門知識を備えた若い即戦力」すなわち高専卒業生のような人材を求めているということです。私は、豊田高専の環境都市工学科という進路を選択した当時の自分に心から感謝しています。
服部 浩之(建築学科 (株)竹中工務店建築技術部 勤務)
豊田高専建築学科の魅力は、先輩方も語っているように、「中学卒業後からすぐ建築を学べること」「4歳年齢の離れた先輩がいること」「先生方との距離が近いこと」「好きなことに打ち込めること」です。頼もしい先輩方、同じ目線で勉強・日常のことの相談に応じてくださる先生方の支えのもと、早い時期から専門分野を友だちと切磋琢磨し、また触れ合いながら学ぶことができます。
豊田高専建築学科を卒業後、私は即社会人となり、その後ずっと、人と向き合い仕事をしています。
様々な過程を得て完成する作品(建築物)は、多くの人の協力の賜物です。そのなかで人々の期待に応える社会の一員として、責任を果たし行動することは厳しいですが、高専生活で経験したことを自信にして、日々、汗を流しています。もちろん周囲の方々の助けもあってのことです。ときには私も助ける側になります。
今、思えば「助けられると助けることを覚える」「助けると、助けられるようになる」を、高専での学寮生活、クラブ活動、学外活動などを通じて、友達や先輩、また先生など様々な人と接して、身につけていたと感じています。このことは、社会人となった今、大きく活きています。
高専生活では、みんなで様々な貴重な体験ができ、また成長することができます。建築が好きな方、このように安心して勉強できる環境にある豊田高専建築学科への入学を目指してみてください。
学費・奨学金
国立大学と比べて安い学費
豊田高専と工科系大学との年間の学費を比較すると、豊田高専の第4、第5学年は国立大学の1/2程度、私立大学の1/5程度の安い学費で勉強できます。
また、1年生から3年生(入学時より通算36月)は高等学校等就学支援金制度により、保護者の所得が一定の基準額未満(市町村民税所得割額30万4,200円(年収910万円程度)未満)の場合は、就学支援金が支給されます。就学支援金は直接授業料に充当されており、授業料の負担額は、世帯所得により234,600 円から0円となります。学生寮での生活費は寄宿料が月額700円、寮費が食事代を含めて月額約28,000円となっています(平成29年度)。
授業料免除制度
経済的理由により授業料の納付が困難であり、かつ学業優秀と認められる第4学年以上の学生には、選考の上、授業料の全額又は半額が免除されます。平成29年度には、前学期には35名(専攻科生4名を含む)、後学期には35名(専攻科生4名を含む)が免除されました。
奨学金制度
学業・人物ともに優秀、かつ、健康であり、経済的理由により著しく修学が困難である学生に対して、選考の上、独立行政法人日本学生支援機構より下表の額の奨学金(無利子)が貸与されます。平成29年度には延べ41名(専攻科生3名を含む)の学生がこの制度を利用しました。
奨学金貸与額(月額)(平成30年度)
1、2、3年生 | 4、5年生、専攻科生 | ||
自宅通学 | ¥21,000 | ¥45,000 | |
自宅外通学 | ¥22,500 | ¥51,000 | ¥40,000※ |
自宅・自宅外共通 | ¥10,000 | ¥30,000 | ¥20,000※ |
※平成30年度以降入学者が4年生に進級するときに選択可能